手作り味噌

読むと難しく感じるかも知れませんが、やってみると味噌作りは意外に簡単です。要は、煮て潰した大豆とこうじ(麹・糀)と塩を混ぜて数ヶ月間置いておくだけ。あとは自然に発酵を始めて熟成し、見慣れたあの味噌になります。元来は下記↓の通り、大豆を煮ることから始めるのが味噌作りですが、伊勢惣ではより簡単に『まぜるだけ』で味噌の仕込みができる手前味噌材料セット(すり大豆タイプ)を作りました。

手作り味噌の造り方

洗った大豆をタライに入れ、水を張って漬けてるところ

1.もどす

生の硬い大豆を洗い、水に漬けてもどします。

★より上手く造る為のコツ・心得

浸漬した大豆を鍋に入れて煮ているところ

2.煮る

水を吸った大豆を煮ます。

十分に水を吸った大豆を鍋に移し、大豆が隠れるくらいに水を入れて煮る。鍋なら数時間かかりますが、圧力鍋ならば数十分で煮えます。

重要!圧力鍋使用の場合、豆類を入れる上限が決まっていることがあるので、圧力鍋内部の上限線を確認し、取扱説明書をよく読むことをオススメします。

最初は強火で、沸騰したら弱火に。火力は表面の大豆までキチンと煮えるよう、常に少しコトコトと対流する程度を保ち、アク(白い泡)を取り除きながら、途中で水が減って大豆が頭を出したら水を足す(差し水)。鍋の場合は、フタや落し蓋をすると最小限の火力と水で煮られるでしょう。

目指す煮加減は、豆の中心部分まで火が通って柔らかく、芯が無くて潰し易い状態。親指と小指で挟んで楽に潰れるくらいと言われています。食べてみてコリコリ感があると上手く味噌にならず、ボソボソした味噌になってしまいます。

煮てる間はタライで麹と塩を混ぜ(塩切り麹といわれる)て時間を潰しましょう。大豆が煮えたら笊(ざる)や穴あきオタマで豆だけを漉し取る。残った煮汁はあとで硬さ調整に使うので捨てずにとっておく。

★より上手く造る為のコツ・心得

大豆を潰しているところ

3.潰す

煮て柔らかくなった大豆を潰します。

潰す方法には、

  1. 厚手のビニール等に入れ、軍手をした手の平や足で潰す方法。
  2. 口が広くて浅く丈夫な手鍋などに移し、擂粉木(すりこぎ)やポテトマッシャー等の棒状のもので突く方法。
  3. 市販の手回しミンチ機等で挽く方法。

といった方法があります。 道具を使わず手作業で潰す①②の場合は、柔らかいうち(温かいうち)に潰すのが楽でしょう。

出来もそれぞれ特徴があります。

  1. は、潰している最中にビニールが破けることがある(けっこう破れる)が、潰し残しが少ない。
  2. は、粒を残しがちになります(食べるに問題は無し。これが手作りらしさという人もあり)。
  3. は最も確実ですが、ミンチ機購入費がかかるので、今後の継続的な使用が見込める方向けと言えるでしょう。ちなみに、ミンチ機使用の場合は先に塩切りこうじと混合する方が大豆と塩切り麹が混ざり易くてオススメ。その際には必ず煮えたばかりの熱い煮大豆を60度以下まで冷ましてください。

大豆と塩きり麹を混合しているところ

4.混ぜる

潰した大豆に塩きり麹を混ぜます。

タライや鍋を使い、潰した大豆と塩きり麹をムラなく混ぜます。この時、煮汁を使って硬さが「耳たぶ程度」になるように調整をする。

★より上手く造る為のコツ・心得

麹を混ぜた大豆を仕込み容器に移しているところ

5.発酵

混合し、混ぜ合わせた大豆を甕(かめ)やタッパーなどの保管容器に移し替え、数ヶ月間発酵熟成させます。

混合した味噌の中から空気を抜くように握って味噌玉を作り、保管・貯蔵用容器の底に投げ入れては空気を抜くように均しながら詰めていく。全てを詰め終え表面を平に均したら、容器の口付近に付いたものは拭き取り、35度焼酎を仕込んだ味噌の表面に噴霧して殺菌し、ピッチリと表面にラップを貼って押し蓋を敷き、重石を乗せ、埃や虫等が入らないように新聞紙等でシッカリと蓋をしてどこか日の当たらない涼しいところに保管する。後々の工夫の為に、蓋に仕込んだ日付や材料量や比率/割合などを書いておく。

これで仕込み味噌の完成です。

移した大豆の表面を均す 均した味噌表面にラップを貼る ラップの上に押し蓋を乗せる 押し蓋の上に重石を乗せる
①保管容器に移し、表面を平らにする。 ②表面にピッタリとラップを貼る。 ③重石が沈まないように、押し蓋をする。 ④重石を乗せる。

★より上手く造る為のコツ・心得