味噌作りのコツ
味噌作りに限らず、発酵食品作りには黴(カビ)や酵母ほか、乳酸菌などいろいろな微生物が関わってきます。その中で、その食品を食す人にとっていかに有益な微生物を育て、無用な微生物を抑えるかが発酵食品作りのコツと言えます。
適した量の塩を使う
塩分を減らしたい(減塩)という事で初心者がいきなり塩を減らすと出来上がる味噌が酸っぱくなる事が想像できます。仕込まれた味噌の中ではいくつもの菌が活動しますが、その菌の種類や活動の程度を塩が調整していると言えます。塩を大きく減らす事は味噌の腐造に繋がりますので、初めての方はお避けになる事をオススメします。
暖かい時期よりも、寒い時期に仕込む
暖かい時期でもできなくはないのですが、寒仕込みという言葉があるように、暖かい時期よりも寒い時期の方が適しているといわれています。理由は、寒い時期ほど空気中の雑菌が少ないと言われていること、暑い時期だとそれら雑菌の活動も活発であり、また、味噌の仕込み作業により汗を多くかくことが挙げられます。寒ければ寒いほど向いているというものでもありませんが、仕込みの適期というならば秋の涼しい時期やちょっと暖かくなった春の過ごし易い時期(桜仕込み)がよいでしょう。
使用する器具は予め殺菌しておく
仕込みをする前に、使用する容器や道具は洗ってアルコールや熱湯をかけて殺菌します。(容器を熱殺菌する場合は耐熱容器かどうかを確認する必要があります。)
空気を抜く
保存容器に入れる時は出きる限り味噌の中の空気を抜くこと。仕込み終わった後に気泡が残るとその部分だけカビることがあります。
味噌表面も空気遮断
カビは空気とふれる部分に生えるので、広く空気と触れる味噌表面部分にピッタリとラップを貼るか、仕込んだ味噌そのものを厚手のビニール袋に丸ごと入れて口を縛る方法も効果的です。
ピンポイント予防
ラップを貼っても端の部分はどうしても空気に触れるもの。そこで、その部分には塩やアルコールを振ったり、別の味噌を塗ったりしてカビを抑えます。 初めてでなければ、前に上手くできた生味噌(なまみそ:菌の生きている味噌)を使えば、種付けを兼ねられるので、上手い方法だと思います。
拭き取る
作業により保管容器の口付近についた味噌。これは一番カビが生えやすく、味噌の風味に影響するので拭き取ることをお勧めします。
アルコール使用
拭き取りとラップと塩でも抑えられないカビの元は揮発性のアルコールで抑えましょう。仕込んだ味噌表面にアルコールを染み込ませた布を置きます。容器が密封できれば蒸発したアルコールの殺菌効果はより効くでしょう。
作業は手早く
雑菌は空気中に浮遊しています。大豆は素早く潰して塩麹を混ぜ、素早く保管容器に詰め替え密封しましょう。
天地返し
仕込んで数ヶ月経ったら一度掻き混ぜましょう。これで発生しかけたカビを抑えるのと、発酵熟成の偏りを矯正することもできます。