自家製味噌の完成
仕込みから数ヵ月後。色も変わって味噌らしくなり、香りも高く、いよいよ自家製手作り味噌が食べ頃を迎えます。
保存容器から味噌を取り出す時はいつもワクワクします。表面は酸化するせいかクスんだ色をしているかも知れませんが、ちょっと掘り起こしてみると中心部からは鮮やか山吹色をした味噌が出てきます。味噌作りの中で最も楽しみな瞬間で、初めての味噌作りならきっと『へえ!味噌ってこんなふうにできるんだ?!』と感動することでしょう。
賞味期間
仕込み後半年~1年くらいが一番美味しくいただける期間(賞味期間)です。容器のどこかに仕込み日をメモしておくと解り易いでしょう。
その後の味噌は、徐々に発酵が収まってきます。発酵が止まる頃には赤っぽい味噌になり、その後は黒っぽくなっていきます。ここまでくると、味は落ちてきてしまうようです。日本全国には様々な味噌がありますが、味噌にも一番美味しい時というのがあるのではないでしょうか。
生味噌の活用法
手作りで造った自家製味噌の最たる特徴は『生』という点です。これは火入れ等をしていない『出来たままの(生きた)味噌』という意味で、発酵菌はもちろん、こうじの酵素も残っていると思われます。よって、もちろん温かい味噌汁にして飲むのも良いのですが、『そのまま』食べる方が生味噌の持ち味を最も発揮できると言えます。例えば、“もろきゅう”などのように新鮮な野菜につけて食べる方法は味噌の中の菌を生きたまま摂取できるし、肉の味噌漬けは味噌の中のこうじが作り出した酵素の作用により、肉が軟らかくなると同時に味付けにもなるでしょう。意外なところでは、醤油の代りに生味噌をつけて食べる寿司も有り得るでしょう。
おわりに
味噌作りをご家庭の風物詩にしてみませんか?
年に一度の味噌作り、寒に仕込んで秋には収穫。自家製手作り味噌は家庭でできる秋の収穫のようなものです。上手くできるようになったら多目に作り、近所や知人に『手前味噌ですが、美味しい味噌ができました』と配るのはいかがでしょう?
近い将来に発生が予測されている大災害時でも、常温で保管できる自家製味噌はきっと役立ってくれると思います。